ポルシェ

多くの人にとって日常生活では関わりはなくても憧れの存在であるポルシェ。
卓越した存在感と走行性能、そして希少性からくる価値は数多くのブランドの中でもずば抜けています。

そのポルシェ社がフォルクスワーゲングループの過半の株式を取得し、子会社化するというニュースが経済誌の紙面で流れました。

90年代以降、好調に売上を伸ばしてきたとはいえ、年間の生産台数は8万台あまりと、多くの自動車メーカーが数百万台規模で生産している数と比べると、とても少ないという感じがします。そのポルシェ社がグループ全体で500万台以上生産するフォルクスワーゲングループを子会社にするというのですから驚きました。

小が大を、というのにも限度があるんじゃないか、などと私たちの感覚では思ってしまいます。どうしてこういうことが起こりえたのでしょうか?

ポルシェ社の歴史をひもとくと、創業者である自動車設計技師フェルディナント・ポルシェにいきあたります。彼の物語は一冊の本になるほど面白いのですが、ここでは長い話をとても短くまとめてみます。

設計技師としてダイムラー社などで実績を積んだフェルディナント・ポルシェは50代半ばにして自分の望む自動車の設計を手がけるために設計事務所を設立しました。その事務所が、国の政策ともなり後に国民車(フォルクスワーゲン)となる車の設計を行い、第二次大戦後にその構想が実現していきます。つまりポルシェ社はフォルクスワーゲンの生みの親だと言えるのです。


フォルクスワーゲンを1台生産するごとにポルシェ社にデザイン料が入るという取り決めもあり、設計面でも、経営面でもポルシェ社は大きな影響力を持ち今日にいたっています。

こうみると単に小が大を呑むということではなく、子会社となるフォルクスワーゲングループも了解の上での話だということがわかります。

とはいえ、このポルシェ社のフォルクスワーゲングループの子会社化はいくつかの意味で時代を反映し、今後の時代を占っているような気がします。

規模を追求すること、価格優位(低価格)を追求することは誰にでもできるがゆえに、常に結末は過当競争に向かいます。そして終には価値を生めだせなくなります。働く人ひとりひとりのレベルでも、もはやそんなことに人生を注ぎ込みたくはない、と多くの人が考えるようになってきました。

ポルシェ社の強みは、卓越した設計技術と、その思想を体現するオリジナルブランドの確立、そして天才創業者の技と理念を一代で終わらせることなくまっすぐに受け継いできた後継者たちによる経営です。

そんなポルシェは憧れの車という以上の存在です。
創意や工夫やオリジナリティで価値を生み出そうと日夜チャレンジし続ける世界中の様々な分野の「後継者たち」に夢や希望を与え続けてくれる、そんな存在なのです。

 



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サイト管理人 みっく

大阪生まれ。 日々の体験を貴重な経験に変え、常に前向きに、笑いを忘れず生きるポジティブ志向の大阪人。好奇心旺盛で趣味は多彩。
もともと理系出身で、技術者として開発やものづくりに携わっていたが、20代の後半に仕事で海外と関わるようになったのをきっかけに、仕事とキャリアの軸足を海外ビジネスにシフトしていく。
海外企業とのコミュニケーションでは、特にヨーロッパに強く、国によって微妙に違う価値観や考え方を理解した上で、相手におもねることなく対等の交渉をする、その手腕には定評がある。
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