展示会に見る違い
今回の出張では、2つの展示会を訪れました。以前もお話ししたように欧米の展示会は商談の場です。日本では展示会がPRや宣伝の場になっていますが、そうではなく、じっくり情報交換し交渉をする場なのです。
日本の展示会では、来訪者のほとんどが招待券を持っていて、実質的に入場料は無料になっていますが、こちらでは来訪者はみんな料金を払って入場します。入場料は決して安くはなく、日本円で4000円から6000円くらいになります。来訪者も展示会にそれだけの価値を認めているのです。
展示者も来訪者も真剣です。そしてそこに得るものがあるから、リピーターとしてやってくるのです。
日本の展示会がどうしてうまく回らず、やがてジリ貧になっていくのか以前から興味がありましたが、入場料を取らない分、やはり採算が合わないのでしょう。費用負担を実質的に展示者にすべてかぶせる形の運営には無理があります。ビジネスモデルが崩れているのです。苦しいところですね。
ヨーロッパの展示会は様々な国で開催されますが、大きな展示会は経済規模も大きく工業力も高いドイツで行われることが多いようです。インターネットの普及によって展示会の位置づけが変わってきている、という意見もありますが、経済が好調なヨーロッパでは、展示会も勢いを取り戻しているようです。
大手の会社ではマネージャクラス(部長相当)が、中小では経営者自らがブースにいて、第一線の商談に備えるわけですから、話がとんとん拍子に進むことがあります。ビジネスでも大切な出会いは理屈を越えたものです。顔を合わせて握手をして会話するというプロセスが思った以上に大切なのだと、見直されている面もあるのでしょう。
今回の展示会訪問で気づいたこと。どこの国?と聞かれて「日本」と答えると対応が良くなることが何度もありました。やはり日本は一目置かれているようです。中国からの出展者の立居振舞いがずいぶん落ち着いてきたように思いました。少しずつ経験を積んできているのですね。
力を持つ企業でも日本に代理店がないケースがいくつもありました。日本との商談では言葉が問題になってうまくいかない、という印象を持っている人が多いようです。現在のユーロ高では日本への輸入は難しいかもしれませんが、このあたりのサポートも誰かが考えなければいけませんね。
ヨーロッパでも何度か展示会出展の経験があります。その立場からいうと展示会の来訪者の中に何人か「重要見込み顧客」が印象に残っています。
具体的な打合せメモの残る相手はその次に重要です。でも多くの印象に残っていない名刺にはあまり興味がありません。ついつい後回しになります。
これはと思う製品を見つけてサンプルや価格オファーを頼んだのに、展示会が終わって2週間経っても出展者から連絡がなければ、「買い手」の立場はとりあえず棚にあげてメールや電話でプッシュしてみるといいです。「その他大勢」の束から自らを引き上げるアクションになります。
展示会場で出展者が明言しなくても日本やアジアを市場としての視野に入れていないケースもあります。問い合わせをしても何も返事がこない場合にはこういうケースかもしれません。
展示会を訪れてたくさんのコミュニケーションの中で2つでも3つでも将来につながる話があれば収穫があったと言えるでしょう。

